大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(オ)11 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人古川豊吉、同金子秀男の上告理由について。

本件売買契約が成立した昭和一七年九月当時と被上告人が上告人に対し本件不動

産につき買戻の意思表示をした昭和二七年九月当時との間には、貨幣価値に著しい

変動のあつたことは顕著ではあるが、それだけで契約上の債権額が当然に修正され

ると解すべき現行法上の根拠がない。

されば原判決が、その確定した事実関係の下において、被上告人のなした弁済供

託を適法とし、買戻の意思表示は、その効力を生じたものとして、被上告人の本訴

請求を認容したのは相当であり、所論民法一条、五七九条の解釈を誤つた失当があ

るとは認められない。

それゆえ論旨は採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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